時評「北朝鮮が核保有国になってしまった」

 核実験予告は本気と観測されていました。9日朝、ついに北朝鮮軍部と金正日の「暴発」が発生しました。核爆発規模が小さすぎる点について日本軍事情報センターの最新情報でも議論され、成功に懐疑的になっていますが、韓国側の観測値に対し、日米の観測は大きめに出ているので、異常なほど小さいとは言えないよう。多少の失敗があったにせよ、核実験をして核保有国になった点は間違いないでしょう。

 事態の動きを見るリンク集積場所としてNorth Korea Todayを挙げておきます。「結局破綻した盧政権の対北政策」「北の核実験は金正日と軍部の合同作品」「爆発の威力は日本への原爆より小規模」「脱北核技術者「『独自の実験技術を確保した』」「なぜ9日?北朝鮮が狙った一石四鳥とは…」など、朝鮮日報などからの翻訳が掲載されています。

 日本のブログからも一つ。「北朝鮮核実験実施」(極東ブログ)は以前から北朝鮮が核搭載ミサイルを造る可能性と、日本世論がどう動くかなどを考えていました。さらに今回、興味深い指摘――パキスタンの核開発ではあり得ないプルトニウム検出を述べたウィキペディアを参照して「現在から振り返ると、『少なくともパキスタンの核実験のうち一回は北朝鮮の核の代理実験だったのではないか』というのはほぼガチといっていいだろう」。

 朝鮮日報の「なぜ今日?北朝鮮が狙った一石『四鳥』とは…?」では「9日は国連安保理が韓国の潘基文(パン・ギムン)外交部長官を国連事務総長候補に推薦する日でもある。安保理の潘長官推薦は事前公告されていた。北朝鮮は今月3日の核実験宣言も、潘長官が第4回予備投票で1位となり、事実上、国連事務総長候補に確定した日に発表した」に注目したいと思います。分裂国家からの事務総長は通常、あり得ないのに、北朝鮮を無視した形の選出に「憤り」「怒り」「妬み」を見ます。米国の戦略的パートナーとなった中国に対しては「北朝鮮『全世界がわれらの敵』」は「米国のイヌではないか」と高級幹部が発言したと伝えています。

 自ら孤立無援の境遇を求めている国です。国連では本格的な制裁論議が始まるでしょう。これに対して、北朝鮮のさらなる暴走が目に見えるようです。次は北朝鮮の崩壊について考えていかねばならなくなりました。