第243回「中国の原発、無謀とも見える大増設は大丈夫か」

 中国の全国人民代表大会代表(全人代)は今月、4年前の計画に比べ倍増になる原発大増設を打ち出しました。今日の朝日新聞「中国原発、10年で60基増」がその細部を伝えています。《原子力発電:2020年に設備容量8000万キロワットに》(朝日新聞)が全人代ニュースでした。2007年の《原子力発電、2020年までに現在の2.4倍規模に》(サーチナ)の目標が4000万キロワットにすぎなかった点を比較してください。いま稼働している原発は11基、1700万キロワットです。

 今日の朝日新聞記事は国有企業幹部とのインタビューで出来ています。向こう10年にわたって毎年6基ずつ増設する計画で「2020年には70基余りが稼働し、日本を上回る」「2年余り準備し、建設を始めれば5年以内に商業運転に入れる。日本のような地元の抵抗はない」石炭火力に比べてクリーンと思われているし「雇用や税収で地元も潤う」。急速な大量建設を心配する記者の質問には「20年来の安全運転をしてきた実績がある。安心してほしい」

 安全対策がそれほど万全と思えない証拠が中国側から提供されています。3月9日「人民網日本語版」の《中国、原発プラント運転訓練シミュレータの開発に成功》は「2010年12月18日、中国が初めて自主開発・設計した100万キロワット級原子力発電所の運転訓練シミュレータが福建省の寧徳原子力発電所に導入。原子力発電の設計の自主革新力や重要設備の国産化率が高まり、原子力発電の運転員育成に重要な役割を果たした」と報じています。「海外の技術独占状態を打破し、中国の原子力発電建設の大発展に確かな保証を提供する」との切り口なのですが、あまりに遅すぎませんか。

 海外から導入した技術を次々に国産化していく中国ですからプラントの改変部分が多々あるはずです。運転には適切なシミュレータを持たないと怖くて見ていられない印象です。それに報道管制の厳しさは知られた通りで、内部で何があったのか伝わらぬ不安がつきまといます。  中国のどこに原発が建てられるのか、「中国の原子力発電所立地」から地図を縮小して上に引用しています。稼働、建設中のサイトは沿岸部ですが、内陸にも多数計画されています。地震とのかねあいはどうなのか、検討する資料を持ちませんが、過去に地震が無かった場所に建設する方針が必ずしも正しくなかったことは日本国内で証明済みです。そこには解消されていない地下の歪みエネルギーが溜まっているのかも知れないのです。国有企業幹部は大きな被害があった新潟・柏崎刈羽原発を昨年見学し「地震について学んだ。良い機会だった」と言っていますが……。

 【参照】インターネットで読み解く!「原発」+「地震」関連エントリー
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