福島中通り汚染は広く深刻、国は学童疎開を [BM時評]

 福島市や郡山市など中通り放射能汚染地区の広がりを「文部科学省による放射線量分布マップ」(8/2公表)で確認して、その大きさにショックを受けました。6月から7月に福島第一原発から100キロ以内2000カ所で土壌調査した際に、1メートルの高さで空間線量を測っています。地図を以下に引用します。  ピンクの線で仕切られた飯舘村など計画的避難区域は黄色の点で占められています。その直ぐ下、1.9〜3.8マイクロシーベルト毎時である黄緑色の点が都市部に広がり、1.0〜1.9マイクロシーベルト毎時の緑色が中通り東側を埋め尽くしています。この地区の自然放射線量はせいぜい0.054マイクロシーベルト毎時程度ですから、法定の年間限度線量1ミリシーベルトの10倍前後にもなる地域がこんなにも広大なのです。

 学校の校庭管理で文部科学省は当初は年間20ミリシーベルトを打ち出して非難を浴び、現在は目標1ミリシーベルトになっていますが、日常の生活空間が年間10ミリシーベルト級の汚染空間なら学校だけ下げても無意味です。しかも汚染は主に福島原発事故で降下した放射性セシウムによるもので、子どもが遊んだり運動したりすれば接触する可能性が高いのです。それによる内部被ばくの恐れも考えねばなりません。仕事がある中高年の親はともかく、子どもたちを育てる環境でないことは明白です。

 1学期の終わりに転校していく学童が多数いると報じられましたが、この汚染状況なら当然のことです。不安に思っても転校させる余裕がない親も多いはずです。国が負担して学童疎開を実施すべきです。法の建前から年間限度線量以上なら対象にすべきだと考えますが、少なくとも数倍になる0.5マイクロシーベルト毎時以上の地域は是非とも学童疎開させるべきです。

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