民主支持層は依然としてパス、一部は山本太郎へか [BM時評]

 大幅に議席を伸ばし続ける自民党は東京の票推移で見る限り、絶対得票数は伸ばせず、民主党に政権交代させた層の多くが投票をパスしているようです。一部は東京選挙区で山本太郎氏に向かった可能性が高いと考えられます。投票率が低迷する中、既成政党で票を増やしているのは公明党がトップです。支持層の高齢化から選挙のたびに目減りの一方だったのに、与党内で改憲など安倍政権の暴走を止める歯止め役として期待が掛かっていると感じられます。  有権者の1割がいる東京で主要党派別の得票数がどう推移しているか、2009総選挙以降をグラフにしました。過去の国政選挙は比例区の得票で、今回参院選は選挙区の票です。前の政権交代があった2009年には民主は283万票も獲得したのに、期待はずれを反映してどんどん下がり、実質的に2候補を立てて共倒れした今回は公明、共産なみの80万票程度に落ちました。自民党は2候補の合計では2009総選挙に達していません。みんなの党と維新の会は先月の都議選とほとんど変わらずです。

 既成政党票の枠組みは大きく変わっていないので、無所属当選・山本太郎氏の票は都議選と比べて90万票増えている票の半分以上を獲得した上、生活ネットワークなど小グループの票が流れ込んだ計算になります。この90万の大半は民主に入れていた票でしょう。第367回「都議選で再び大量パスした有権者、自公に乗り換えぬ」で指摘した「自民への乗り換えなし現象」はまだ続くようです。政党支持率が政権交代後に大きく上がっている点と矛盾しています。