時評「政経の死地脱出を自分で放棄した中国共産党」
(2025/05/29)時評「中共・前総書記、胡錦濤が復活して党の進路主導」
この10月、政治面でも経済面でも大失敗を犯した中国共産党は奈落の底に沈んで行くしかないようです。トランプ関税政策で米国への視線が世界的に冷めている時期に、もう一つの大国中国が製造業の死活物質レアアースの流通規制で世界を締め上げる政策を打ち出しました。この政策は米中貿易交渉で1年延期になりはしたものの、反米国の勢力を結集するどころか、中国離れの最近の動きを加速する逆効果を生み出しました。国内政治面では四中全会で習近平国家主席が党や軍のトップを辞任して、新しい人材が登場すると見込まれましたが、何も起きませんでした。軍の習近平離れが明確になり、当面は台湾有事など起こり得なくなった点は歓迎ですが、2年後の党大会まで経済音痴の指導部が続くしかなく、金融危機や大量の失業・餓死発生が避けられないでしょう。
5月の時評「中共・前総書記、胡錦濤が復活して党の進路主導」以降、胡錦濤政権時代の首相温家宝がリーダーになって党の意思決定を縛るようになったと見られます。中国共産党は安定した支配体制を維持しているとの虚構を守るために、長老支配の事実を国民や海外に知られてはならないとのジレンマに直面しています。習近平を傷付け荒立ててはいけない、自ら辞任するまで待つ姿勢です。共青団派で前の中央政治局常務委員だった汪洋(おうよう)が次世代の本命「胡春華(こしゅんか)」までの党中継ぎ指導者に擬せられたりしました。汪洋は広東省のトップ時代に普通選挙に理解を示すなど開明的でした。
四中全会「第20期中央委員会第4回総会」は中国共産党が人事を決定する重要な会議で、これを逃すと2年後の党大会まで動きません。習近平が内々に言われていた党と軍のトップ辞任をしなかった点で、落胆の声がある一方、中国人ユーチューバー「李真実チャンネル」は「誰か新しい人に代わって希望が持てたら苦しみがまだ続くことになる。習近平と共産党が一緒に崩壊してくれた方が良い」と《(中共崩壊の連続ドラマ)習近平と軍隊代表との折衷結果。軍事委員会の主席と実権力は誰に属するのか。》で語っています。
中国中間層の主力資産マンションの価格が底なしの暴落を続け、中間層の存続自体が危ぶまれる中、「習近平が不動産を壊した」と恨みの声が上がっています。辞任して権力を手放せば追及必至の中で、3回の脳卒中発作が伝えられて健康状態が悪くとも走り続けるしかないとの判断でしょう。また、中国は二重帳簿を持たない粉飾国家であり、5%経済成長を続けていると発表しても実態はマイナス成長と考えるしかなく、中国指導部も実態を示す数字を持ちません。人民日報は四中全会前に「中国経済光明論」を訴える社説を8回も掲載しました。習近平には国内の現実が把握できません、
米中貿易交渉の場なら否応なく現実を突き付けられます。レアアース流通規制発表で世界は中国離れを急速に進めており、米国側は「来年には対策が整うからレアアースの交渉カードが切れるのは今年限り」と脅しました。その結果はロイターの《情報BOX:米中首脳会談、貿易対立緩和で合意した内容》に詳しいです。
「中国が今月発表したレアアース鉱物と磁石の輸出規制については1年間凍結することで合意した」「米国は、半導体製造装置の輸出を含めた米国製ハイテク製品の中国への輸出禁止拡大措置を1年間凍結することで合意した。この規制強化は、子会社や関係する企業を利用して規制を回避する行為を禁止することを主目的としている」
「中国が本会計年度(2025年2月―26年1月)に1200万トンの米国産大豆を購入することで合意し、その後の3年間に毎年2500万トンを買うことを約束した」「トランプ政権は中国で建造され、中国が所有する中国船籍の船舶に対する新たな港湾使用料の徴収を1年間停止することに合意した」
相互に譲歩しているように見えて、実は中国側がベタ降りしています。結果として「関税率は計約57%から計約47%へ引き下げられる」「トランプ氏が懲罰的関税を課したインドとブラジルからの輸入品に適用している50%を下回る」程度の成果でしかありません。対米貿易の厳しさは和らぎません。一方で、中国が過剰生産している鉄鋼や電気自動車などの輸出を阻止する動きが世界中で広がっているのが現実です。
【中国関連の記事】
時評「習近平は独裁者の地位失い、共産党は集団指導に」(2024/12/17)
第689回「中国を覆う大不況、経済成長どころか縮小必至」(2024/11/25)
第686回「中国の虚構:売れ先無いマンション莫大に所有」(2024/05/20)
第683回「急速高齢化の脅威に、中国指導部は無策傍観」(2024/01/25)
第674回「中国大卒就職難は中国政府の大勘違いから」
第624回「14億人中国の暗雲:男女人口大差と年金使い込み」
第602回「中国の労働人口、今後は1億、2億と減る衝撃」
5月の時評「中共・前総書記、胡錦濤が復活して党の進路主導」以降、胡錦濤政権時代の首相温家宝がリーダーになって党の意思決定を縛るようになったと見られます。中国共産党は安定した支配体制を維持しているとの虚構を守るために、長老支配の事実を国民や海外に知られてはならないとのジレンマに直面しています。習近平を傷付け荒立ててはいけない、自ら辞任するまで待つ姿勢です。共青団派で前の中央政治局常務委員だった汪洋(おうよう)が次世代の本命「胡春華(こしゅんか)」までの党中継ぎ指導者に擬せられたりしました。汪洋は広東省のトップ時代に普通選挙に理解を示すなど開明的でした。
四中全会「第20期中央委員会第4回総会」は中国共産党が人事を決定する重要な会議で、これを逃すと2年後の党大会まで動きません。習近平が内々に言われていた党と軍のトップ辞任をしなかった点で、落胆の声がある一方、中国人ユーチューバー「李真実チャンネル」は「誰か新しい人に代わって希望が持てたら苦しみがまだ続くことになる。習近平と共産党が一緒に崩壊してくれた方が良い」と《(中共崩壊の連続ドラマ)習近平と軍隊代表との折衷結果。軍事委員会の主席と実権力は誰に属するのか。》で語っています。
中国中間層の主力資産マンションの価格が底なしの暴落を続け、中間層の存続自体が危ぶまれる中、「習近平が不動産を壊した」と恨みの声が上がっています。辞任して権力を手放せば追及必至の中で、3回の脳卒中発作が伝えられて健康状態が悪くとも走り続けるしかないとの判断でしょう。また、中国は二重帳簿を持たない粉飾国家であり、5%経済成長を続けていると発表しても実態はマイナス成長と考えるしかなく、中国指導部も実態を示す数字を持ちません。人民日報は四中全会前に「中国経済光明論」を訴える社説を8回も掲載しました。習近平には国内の現実が把握できません、
米中貿易交渉の場なら否応なく現実を突き付けられます。レアアース流通規制発表で世界は中国離れを急速に進めており、米国側は「来年には対策が整うからレアアースの交渉カードが切れるのは今年限り」と脅しました。その結果はロイターの《情報BOX:米中首脳会談、貿易対立緩和で合意した内容》に詳しいです。
「中国が今月発表したレアアース鉱物と磁石の輸出規制については1年間凍結することで合意した」「米国は、半導体製造装置の輸出を含めた米国製ハイテク製品の中国への輸出禁止拡大措置を1年間凍結することで合意した。この規制強化は、子会社や関係する企業を利用して規制を回避する行為を禁止することを主目的としている」
「中国が本会計年度(2025年2月―26年1月)に1200万トンの米国産大豆を購入することで合意し、その後の3年間に毎年2500万トンを買うことを約束した」「トランプ政権は中国で建造され、中国が所有する中国船籍の船舶に対する新たな港湾使用料の徴収を1年間停止することに合意した」
相互に譲歩しているように見えて、実は中国側がベタ降りしています。結果として「関税率は計約57%から計約47%へ引き下げられる」「トランプ氏が懲罰的関税を課したインドとブラジルからの輸入品に適用している50%を下回る」程度の成果でしかありません。対米貿易の厳しさは和らぎません。一方で、中国が過剰生産している鉄鋼や電気自動車などの輸出を阻止する動きが世界中で広がっているのが現実です。
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時評「習近平は独裁者の地位失い、共産党は集団指導に」(2024/12/17)
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第686回「中国の虚構:売れ先無いマンション莫大に所有」(2024/05/20)
第683回「急速高齢化の脅威に、中国指導部は無策傍観」(2024/01/25)
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