第697回「中華イヤフォン、感動もの激安の名器発見」
2000円で買える中華イヤフォンが、10年前に13万円で買った独ゼンハイザーのフラグシップヘッドフォン「HD800」と、あまり差が無い音で音楽を聞かせる――中国広東省にあるKZ社の「ZSN PRO X」が、その驚異的な激安名器です。中国製の音響機器も進歩していて同じ広東省にあるFIIO社の2万円くらいのイヤフォン「FH3」も持っていますが、バランスの良い音ながら何か作り物感がして愛用とは言えません。2007年創業のFIIO社に比べKZ社は10年遅れの新興メーカーで、体当たりで新しい製品を造りまくっている感じです。失敗作も多いながら、この名器は日本の歌謡曲・ポップスからクラシック、ジャズ、海外ポップスや民族音楽まで「HD800」とほぼ同じ低域から中・高音域のバランスと音色感を持っています。屈託なく伸び伸びした音の出方が、ストレスを感じさせない高級ヘッドフォンに似ています。
私の常用ヘッドフォンは「HD800」と半額程度の独ベイヤーダイナミック「DT 1990 PRO」、さらに半額のオーストリアAKG「K712Pro」です。共通している点はいずれも後面開放型であり、密閉型ではないので60ヘルツ以下の重低音が出にくいのです。2年前に大口径振動版のFIIO「FT3」で重低音を目指しましたが、開放型なのでモリモリの重低音とまでは行きませんでした。密閉型なら音圧で重低音再生が可能ですが、密閉型のもっさりとした音の出方を好みません。
中華イヤフォンの世界で重低音の面白い製品があると知ったのがKZ「ZSN PRO X」でした。最初の一個目「ブルー」はご新規サービスなのか中国からの送料込み510円で手に入れました。一聴して素性の良さを感じましたが、ボーカルや弦楽器にひどい雑味が乗っています。安いイヤフォンに何千円もするケーブル交換は奇妙なので600円で出ていた系列のQKZ「T1」を買いました。これが大当たりで、雑味が消え、信じられない高音質に変貌しました。2、3千円する評判のケーブルも試しましたが、妙に味付けされナイーブな本質的良さを殺しますから「T1」に戻しました。
本当はいくらで買えるのか、2個目「ゴールド」は送料込み1500円でした。600円ケーブルに交換して千円、2千円で驚愕すべきイヤフォンが手に入るのです。「HD800」と大きく違うのは重低音が出る点です。60ヘルツ以下と言えば40ヘルツが最低音のダブルベースやバスドラムの領域で、音楽として入っていない場合も多々です。重低音が出るために、映画やアニメの鑑賞に使うと低音で恐怖感や迫力を盛り上げる場面が圧倒的に良くなります。これは癖になります。
ただし、「HD800」が持つ音像の緻密さ繊細さ、空間表現までは求められません。いずれにせよ慣らし運転、エージングに100時間は掛けるべきです。
KZ社はイヤフォン音質でドンシャリ傾向が強い会社であり、低音を出すためにダイナミック型で超強力な磁気回路を備えています。「ZSN PRO X」の音が軽々と出て、音離れが良い感じがする理由でしょう。高音はバランスドアーマチュア型と呼ばれる小さな鉄片を強力に鳴らすタイプです。高音に妙な強調感はありません。共に2020年に売り出され「ZSN PRO X」と同価格帯で並び立つ世評が良いKZ「ZST X」も試しましたが、こちらは似た構成なのに高音がうるさくて楽しめません。
良い製品を作って顧客と手を携え長期的に育てる発想を中国人は持ちません。2015年の第481回「中国の夢、技術強国化は構造的に阻まれている」で《彼らの商売は“売り切り御免”なのである》と指摘しました。イヤフォンから高額商品のEV(電気自動車)まで同じなのですから困ったことです。
注文で使っているのは中国の通販《アリエクスプレス》です。荷物到着までに1、2週間の時間が掛かりますが、国内のアマゾンなどで買うよりかなり格安です。検索すると色々出てくるので送料込みで一番安いのを探しましょう。ちなみに1/25に「ZSN PRO X」2個と「T1」ケーブル2本を注文したら送料込み合計4570円でした。
先日の膝痛克服「マッサージガンで膝蓋下脂肪体ほぐし治す」で書いたように治療のために遠出できない日が多くて、時間つぶしに踏み入れてみたら中華イヤフォンはとても面白い世界です。もっと高級な製品、お手軽な製品も試しているので、別稿で書きます。
私の常用ヘッドフォンは「HD800」と半額程度の独ベイヤーダイナミック「DT 1990 PRO」、さらに半額のオーストリアAKG「K712Pro」です。共通している点はいずれも後面開放型であり、密閉型ではないので60ヘルツ以下の重低音が出にくいのです。2年前に大口径振動版のFIIO「FT3」で重低音を目指しましたが、開放型なのでモリモリの重低音とまでは行きませんでした。密閉型なら音圧で重低音再生が可能ですが、密閉型のもっさりとした音の出方を好みません。
中華イヤフォンの世界で重低音の面白い製品があると知ったのがKZ「ZSN PRO X」でした。最初の一個目「ブルー」はご新規サービスなのか中国からの送料込み510円で手に入れました。一聴して素性の良さを感じましたが、ボーカルや弦楽器にひどい雑味が乗っています。安いイヤフォンに何千円もするケーブル交換は奇妙なので600円で出ていた系列のQKZ「T1」を買いました。これが大当たりで、雑味が消え、信じられない高音質に変貌しました。2、3千円する評判のケーブルも試しましたが、妙に味付けされナイーブな本質的良さを殺しますから「T1」に戻しました。
本当はいくらで買えるのか、2個目「ゴールド」は送料込み1500円でした。600円ケーブルに交換して千円、2千円で驚愕すべきイヤフォンが手に入るのです。「HD800」と大きく違うのは重低音が出る点です。60ヘルツ以下と言えば40ヘルツが最低音のダブルベースやバスドラムの領域で、音楽として入っていない場合も多々です。重低音が出るために、映画やアニメの鑑賞に使うと低音で恐怖感や迫力を盛り上げる場面が圧倒的に良くなります。これは癖になります。
ただし、「HD800」が持つ音像の緻密さ繊細さ、空間表現までは求められません。いずれにせよ慣らし運転、エージングに100時間は掛けるべきです。
KZ社はイヤフォン音質でドンシャリ傾向が強い会社であり、低音を出すためにダイナミック型で超強力な磁気回路を備えています。「ZSN PRO X」の音が軽々と出て、音離れが良い感じがする理由でしょう。高音はバランスドアーマチュア型と呼ばれる小さな鉄片を強力に鳴らすタイプです。高音に妙な強調感はありません。共に2020年に売り出され「ZSN PRO X」と同価格帯で並び立つ世評が良いKZ「ZST X」も試しましたが、こちらは似た構成なのに高音がうるさくて楽しめません。
良い製品を作って顧客と手を携え長期的に育てる発想を中国人は持ちません。2015年の第481回「中国の夢、技術強国化は構造的に阻まれている」で《彼らの商売は“売り切り御免”なのである》と指摘しました。イヤフォンから高額商品のEV(電気自動車)まで同じなのですから困ったことです。
注文で使っているのは中国の通販《アリエクスプレス》です。荷物到着までに1、2週間の時間が掛かりますが、国内のアマゾンなどで買うよりかなり格安です。検索すると色々出てくるので送料込みで一番安いのを探しましょう。ちなみに1/25に「ZSN PRO X」2個と「T1」ケーブル2本を注文したら送料込み合計4570円でした。
先日の膝痛克服「マッサージガンで膝蓋下脂肪体ほぐし治す」で書いたように治療のために遠出できない日が多くて、時間つぶしに踏み入れてみたら中華イヤフォンはとても面白い世界です。もっと高級な製品、お手軽な製品も試しているので、別稿で書きます。